調理師に必要な資格とは

調理師は人々の食を司る、今や生活に欠かせない職業です。
とはいえ、調理師を目指すのであれば資格が必要なのか気になりますよね?
今回は調理師に必要な資格についてご紹介します。

■調理師に必要な資格とは
調理師に必要な資格は、“調理師免許”です。
ここで区別しておきたいのが、調理師として働くには調理師免許が必要ですが、飲食などの料理に関わる仕事は調理師免許がなくてもできます。
しかし、調理師免許がない人は調理師と名乗ることはできません。
あくまで料理に携わっていても調理師ではありません。
調理師は調理師免許を取得した人だけが名乗れる名称なのです。
調理師と名乗りたいのであれば、調理師免許の取得が必須となります。
※専門学校等で学んだ者は除く

■調理師免許は必要?取得により得られるメリット
調理師として活躍するには、専門学校等で学んだ場合を除き調理師免許が必要なことがわかりましたが、調理師免許がなくても料理などを作る職場で働けるのであれば、調理師免許がなくても良いのでは?と思っている方も多いかもしれません。
調理師免許は必要なのでしょうか?結論から言うと、調理の職種に携わりたいのであれば調理師免許を取得していた方が有利になります。
まず上げられるメリットとして、就職先が見つかりやすいという点です。資格を持っている人と持っていない人であれば、企業側からすると資格を持っている人の方が「しっかり知識を持っている人という証明」になるので安心して雇うことができます。また、調理をする上で器具や調理方法といった専門用語が飛び交うことも多い現場では、資格取得のために知識を付けておけばすぐに理解することができます。
調理に必要な正しい知識を持っている事は、働く上でも大きなメリットになるのです。
その他、将来自分のお店を開業する時に「食品衛生責任者」が必要になるのですが、調理師免許を持っていれば講習会を受講することなく申請のみで取ることができるので、バタバタしがちな準備もスムーズになります。
特に開業を考えていなくても転職の際にアピールできるポイントの1つになりますので、取得しておいて損はありません。

■調理師免許の取得方法
調理師免許を取得している方が働く上で優遇されやすいことがわかりましたが、ここからは実際に調理師免許を取得する方法をご紹介していきます。
調理師免許を取得するには、以下の2つがあります。

①飲食店等で働きながら2年以上実務経験を経て、調理師試験に合格する方法
②調理師学校で1年以上勉強して卒業する方法

①は自分が希望する飲食店等で2年以上調理に関わる実務を経た後、調理師試験に合格するという方法です。食堂や飲食店、給食施設といった調理業務に関わる業務に2年以上携わっていれば調理師試験を受けることができます。
②は厚生労働大臣が指定する調理師養成施設などで調理師の知識や技術を1年以上勉強します。調理師学校を卒業すれば晴れて調理師の免許を申請・取得できます。

実際の調理師試験は実技試験と学科試験の2つに分かれています。
学科試験は食品衛生及び公衆衛生、関係法規、安全衛生などの区分から40題、専門問題から20問出題されます。
合否基準は真偽法に基づき、正答数から誤答数を引いた数が問題数の50%以上が合格と定められています。過去の学科試験問題は公式ホームページでも公開されています。
試験は学科試験の他に実務試験があり、実技試験問題はセンター公表、受験者への送付が行われます。実技試験の合格基準は減点法で、満点の60%以上で合格となっています。
コツコツと自分で学習するのが苦でない人は独学で学科試験を学ぶことも可能ですが、学校などに通わず働きながら学科試験を勉強するには、勤務後や休日に時間を作り勉強する必要があります。
働いている飲食店で指導をしてくれる師匠がいれば良いですが、指導をしてもらえる環境でない場合はしっかりと知識と技術を教えてもらえる専門学校で学ぶ方が良いかもしれません。
働きながら調理師免許の試験合格を目指すのか、専門学校で学び調理師免許を取得するか自分に合っている方を選ぶのが良いでしょう。

■調理師のワンランク上も存在
調理師免許を晴れて取得した後、調理師として実務経験を積むと更に上の専門調理師・調理技能士へステップアップできるのをご存知ですか?
専門調理師や調理技能士は国家資格で、調理師学校の教員資格を得ることもできます。
最低でも6年以上調理師として実務経験を積んでいることが受験資格となりますが、調理師からステップアップできるので、食を司るエキスパートになりたい方におすすめの資格です。
専門調理師、調理技能士を目指すのであれば、まずは調理師免許が必要不可欠です。


■まとめ
これまで調理師に必要な資格を紹介しました。
調理師免許を取得していると、仕事の幅も広がります。
持っておいて損のない調理師免許、取得を考えている場合はぜひ参考にしてみてください。